今年はコロナ禍にはじまり、コロナ禍におわる(まだまだ隆盛な気もしますが)一年だったと思います。
『新型コロナウイルスは社会を櫛(くし)けずる』 『スペイン風邪と新型コロナウイルス感染症』
新型コロナウイルス感染症は、人と人の交わりを阻みました。ときには大事な「三密」と呼ばれる交流も、できなくなりました。
アドラーのいう人生の3つのタスク(「仕事」、「交友」、「愛」)が、これまでどおりのやり方では難しくなった状況で、我々はどのように人生のタスクを行っていけばいいのでしょう。
そして、人間は読んで字のごとく人と人の間の関係によって成り立っています。自分自身という人物像でさえもそうです。
「人間」というものを再考するきっかけになったかもしれません。
『「人間」は他者とのつながりによって作られるものだから』 『「分人」という新しい人間観でもっと生きやすく』 『人間とは何か―人工知能を切り口に考える』
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「仕事」については、テレワークの導入やウェブ会議などが普及しました。問題もあるかもしれませんが、無駄な事務作業を減らすこともできたかもしれませんし、これまでとは違った働き方の導入がなされました。
「仕事」「働く」ということについて、その目的、意義を考えさせられることもあったかもしれません。
『「感情」を大切にした仕事で、自分と職場をさらに進化させる』 『日々の仕事もちょっと見方を変えてみよう』 『「いい仕事」とはどのような仕事か』
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「交友」について、我々が少し考えることができるのは、これまでとは異なる交友のしかたでしょうか。相手への思いも再考されたのではないでしょうか。
『直心の交わり』 『友情について考える』 『友だちはたくさんできなくてもいい』
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愛についても、いろいろ考えさせられた一年だと思います。
家にいることが多くなってケンカも多くなったという話もありますし、仲良くなったという話もあるようです。
『「愛」についての説明は、コンピュータにもむずかしいかな』 『「後悔」しないためには、「後悔しない」ことである』
小説の世界に見る「愛」で、少し考えてみるのもいいかもしれません。
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人間関係重視の一方で、ひとりの時間を過ごすことについても、いろいろ考えさせられました。孤独の価値、ひとりの時間の大切さが感じられることもありました。
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さて、コロナ禍もそうだと思いますがVUCAの時代といわれる今と今後、どんな状況でも歩んでいけるように自分を磨くことが大切です。
周囲の状況を、いつもとは違った見方でみることも大切です。
また、こういった状況でこそ、内省により自分を見つめ直したり、心の理解を深めたりすることも必要かつ、有益なことだと思います。
感染症にかからないためには身体のトレーニングも必要ですが、考え方や心のトレーニングも必要です。
『Stay Homeで身体トレーニングとともに、思考のトレーニングも』 『「身体性」と「精神性」を鍛えるために』
人間にとって有益でしかないと言われる「運動」「読書」「瞑想」。食物は身体の栄養となり、読書は精神の栄養になります。
そして、運動は身体のトレーニングとなり、瞑想は精神(心)のトレーニングとなります。
日常の環境や所作に「心」のトレーニングを置くことも、とても良いことだと思います。
『禅と日本文化』 『心と体と人生のために、「ガラクタ」を片づけよう』
心の健康を保つためには、トレーニングとともに先人の考え方を勉強するのも一手です。
『仏教は「心」の仕組み、働き、使い方を教えます』 『空海の言葉』 『人生は、心一つの置きどころ』 『『鬼滅の刃』を見せられて』 『小林秀雄が語る人生のキーワード』
また、考え方の刷新や心にしなやかさ、ときには鈍感さを導入することもいいでしょう。
『しなやかマインドセットを』 『これからの時代を生きるための「新しい考え方」』 『しなやかで弾力ある心のために「レジリエンス」』 『「鋭さ」だけではいきていけない、「鈍さ」も必要です』
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コロナ対応については、政府に対する批判や人それぞれの考え方の違いに対する批判も聞かれます。
しかし、制度や周囲の状況に合わせてばかりでもいけません。自分で考えて行動することが大切ですし、ときには「待つ」ことも必要です。
『制度に任せるのではなく、自分なりに「働き方改革」しましょう』 『緊急事態宣言に思う』 『「待てない」社会ではありますが、「待つ」ことは大切です』
また、既成の考え方にこだわらず、直観を活かした仕事のしかた、生き方も、こういった時代を生きていくうえで必要なのかもしれません。
『直観を磨く』 『掴みどころの難しい世界を、よく「みる」ために』 『論理は直感に負ける』
言葉による知識の伝達、収集も重要ですが、言葉にできない「暗黙知」「臨床の知」の存在を常に考えることも重要です。
『「伝える」だけではない、「言葉」にすることの効果』 『木から森を感じ、言葉から背後の世界を感じる「暗黙知」』 『「量子論」は「科学」と「宗教」の架け橋かもしれない』 『臨床の知』
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なかなか大変な状況は続きますが、自分なりのアクティビティは持っていきたいものです。
アクティビティの維持には、内から湧き出る「情熱」に火をつけ、多くの「知識」を取り入れ、自分の中で「知恵」にすることが重要です。
『ニーチェ~生き方のアラート、ドライブ、あるいはジェネレータとして』 『魂に火をつけよう』 『仕事の新境地を拓くカギは「情熱」だ』 『「詰め込み」や「雑用」でさえも「情熱」の元になる』 『理論と情熱の関係』 『アイディアと情熱は自分の「内」に求めるのだ』 『教育・勉強と「情熱」』 『「知識」の調理』 『「知識」を「知恵」に変える力』
情熱に裏打ちされた「気概」と「向上心」、一方でそれに併せもつ「謙虚さ」が豊かな人間性と成長をもたらしてくれると思います。
「出る杭」になることを恐れず進み、それでいて人間関係を潤滑にする「謙虚さ」を持ち合わせれば大丈夫でしょう。
『「出過ぎた杭は打たれない」・・・「謙虚さ」再考』 『「謙虚さ」もいいが「謙虚力」を』
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さて、この一年みなさんは生き方の参考に、あるいは導きの星となるような本や人には出会えたでしょうか。
良い本と出会うこと、良い人物と出会うことは、人生の楽しみの一つだと思います。また、本を通して過去の人物や会えない人物に師事すること(私淑)もできます。
また、良い後輩、部下に巡り会うことも、とてもうれしいことです。
『「成長」を求めて』 『プロフェッショナルを越えて』 『職場での教育のあり方』
このブログでも色々な本をご紹介してきました。みなさんにとって仕事の役に立ちそうな本、生き方の役に立ちそうな本もあるのではないかと思います。
来年もひきつづき、本のご紹介と読書で考えたことなどを書いていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。