スペイン風邪と新型コロナウイルス感染症

2020年4月15日

いわゆる「スペイン風邪」は、インフルエンザウイルスH1N1型による感染症である。

このH1N1型は、2009年の新型インフルエンザの原因ウイルスでもある。

スペイン風邪は1918年から1920年の期間に世界中で大流行し、患者数は5億人(当時の世界人口の3-4分の1)とも言われ、1700-5000万人が亡くなったとされる。

おりしも第一次世界大戦の最中であり、報道管制により情報のやりとりができなかったことも、大流行に影響していると考えられる。

また、発生源はアメリカとされ、アメリカが参入した第一次世界大戦後半に、アメリカからヨーロッパにもたらされ、大流行したと言われている。

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新型コロナウイルス感染症は、2019年年末あたりから2020年に入って大流行し、今後の収束は今のところ分からない。

中国で発生し、世界中に流行している。

おりしも世界経済大戦の真っただ中であったが、世界経済はまたたく間に沈没させられた。

情報については、100年前とはケタ違いの情報網があり、日々の感染者数でさえ正確に伝わってくる。

また、現在は世界中を移動する人々の多いことも、感染を広げた原因だろう。100年前はやっと戦争に飛行機が導入されたくらいだったが、現在はどんな人も飛行機で世界中を飛び回っている。

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なぜ、情報も医療も発達した現在でも、このような世界的な感染症は抑え込むことができないのか。

感染症も、コントロールできないうちは、いわゆる「得体のしれない相手」である。

「得体のしれない相手」に対峙するには、歴史や前例は携えつつ、自分の直感や良心にそった思い切った対応も必要である。

“相手を知り、己を知れば百戦危うからず”とは、孫子の言葉である。

しかし、“相手を知り”と言っても今の世の中、「得体のしれない相手」が多い。病気、犯罪、経済、・・・人間といった具合に。

“己を知れば”にしても、知っている己は分かるのであるが、人には無意識や潜在意識というものがある。

そして勝手知ったる“己”よりも、存外と無意識や潜在意識からのメッセージが役にたつことも多い。

とくに「得体のしれない相手」を相手にする際には、「直観」であるとか「良心」といった、深層意識からの情報を汲みだし、脳が総合的に判断して生み出す考えが、役に立つこともあるだろう。

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今のところ、対応する者としては、のちの世の人からみて正しいかどうか分からないけれど、これと思ったことをするしかない。個人的にもそうだし、為政者もこの際はそうだろう。

民主主義でよくある多数決で決めたことをすれば、のちの世の評価が良いわけではない。

大勢が、どのようにすれば良いか分かっていたり、感じたりしていれば、多数決でいい答えが出るかもしれないが、今のところ、世の中の人は解決法を知っているわけでもないし、感じているわけでもない。

対応が正しかったかどうかは、後の世の人だけが評価出来て、言えるものである。

どうか、為政者には直感や良心から来るいいアイデアを出して、この難局を乗り切らせていただきたい。

われわれは、周囲の状況に合わせて、できること、すべきことを粛々としていこう。

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