コーヒーとビールを愛するすべての人へ

2021年1月9日

朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる 馬渕知子 クロスメディア・パブリッシング

はい、私もそう思います! 

この本は以前から書店で見かけて、「そうそう、そうだよね」と思っていましたが、なかなか買うには至りませんでした。

しかし今回は、買ってしまいました。なぜでしょうか。朝はコーヒーを飲み、夜はビールを飲む自分の行動に裏付けが欲しかったのかもしれません。

新型コロナウイルス感染症に苛まれた情勢、飲酒を伴う会食もはばかられる中、ビールの効果を再確認したかったのかもしれません。

ともかく、朝はコーヒー、夜はビールが良いと思っていました。実際に本の内容としても、結論はそういうことです。

しかしこの本には、コーヒーやビールの飲み方について、タイミングの工夫やコツなどの役に立つ情報が満載です。

著者は内科学、皮膚科学、アンチエイジング医療、分子整合栄養学を専門とされ、栄養学、食文化についても造詣が深い方です。

とくに、「水は1日3ℓ」を推奨・実践し、水分補給の重要性を説いておられることでも有名です。

コーヒーやビールをよく召し上がる方は、これからの人生もずっとそうだと思います。ぜひこの本を一読して、身体のためになる飲み方を勉強しましょう。

「毎朝、目覚めの1杯としてコーヒーを飲むのが習慣だ」という人は多いと思います。しかし、その1杯が、実は目覚めをよくしてくれるどころか逆に覚醒の妨げとなっていて、さらに1日のパフォーマンスを下げる大きな要因である可能性がある、というのをご存知でしょうか。

(P43)

えっ、知りませんでした。

朝のブラックコーヒーが、目を覚ましてくれて、身体を活性化すると思っていました。私は朝起きたらコーヒー、職場についたらコーヒー、といった感じです。

たしかにコーヒーに含まれるカフェインは、アドレナリン増加を誘発し身体を活性化するのかもしれません。

しかし、身体にはもともとコルチゾールという、寝覚めからの身体の立ち上がりを支えるホルモンが出る仕組みになっており、アドレナリンはそれを邪魔するようです。

うーん。なんとなく朝はコーヒーが良いと思っていましたし、この本のタイトルを見て、「そうそう、その通り」などと思っていましたが、「飲むタイミング」が重要なのですね。

この本によると、朝のコーヒーは10時ごろ飲むのが良いようです。

あまり早い時間からカフェインを摂ると、かえってコルチゾールの生理的な分泌を邪魔し、午後からや夕方にかけての疲れに関わっているのかもしれません。

薬やサプリメントの服用、あるいは保湿剤などの過剰な使用によって、本来の身体がもつ機能が低下してしまうこともあるということは、よく知られています。

私もこれからは、朝いちばんのコーヒー(カフェイン)は控えめにして、午前中の仕事始めあたりに飲もうと思います。

でも、やっぱり精神的にも早朝のコーヒーやお茶は良いと思います。朝、祖母や両親が(おそらく気持ちが急がないためにも)お茶を1杯ではなく2杯飲んでいけ、と言っていたのも思い出します。

朝のお茶やコーヒーには、そういったおまじないとまではいかないまでも、なんとなく気分を落ち着けて引き締める効果があると思います。

まず、残業中のコーヒーは避けましょう。そして、夕方以降にコーヒーを飲む場合、あるいは飲みたくなったときには、「就寝予定時刻の7時間前まで」を徹底すること。

(P58)

逆に夕方以降は、コーヒーを飲むと眠れなくなるとも言われていますので、控えめにすべきかと思っていました。私は、まあ21時以降は飲まないようにしようかなと考えていました。

しかし、それもこの本によると、「就寝予定時刻の7時間前まで」だそうです。早いですねー。

たとえば、23時に寝るとしても、16時ですか。どうしても、夕方から一仕事するぞというときは、まずコーヒーでカラダをシャキッとして、などと考えますが、良い睡眠のためには控えるべきなんですね。

多少は夕方のコーヒーによってシャキッとするかもしれませんが、その後の睡眠の質が落ちるようであれば、翌日の仕事にも影響します。

それを繰り返していくと、だんだんと疲労が溜まっていったり、ストレスが溜まっていったりするのかもしれません。

後述するアルコールほどではなくても、コーヒーにも会話を支える効果があると思います。会議や面談などにはよくコーヒーが供されます。

身体の活性化や芳香による気分の活性化もあるかもしれません。一方で、会話の途切れた「間」にちょっとすすったり、カップを触ったりすることも、会話の支えとなっているのかもしれません。

ビールに含まれる麦芽やホップが醸し出す香りやアルコールの持つリラックス作用を活用すれば、その日の疲れを上手にリセットすることができます。ビールは単に酔うためのものではなく、飲み方次第ではビジネスパフォーマンスを底上げしてくれるすばらしい飲み物なのです。

(P125)

ビールについては、ちょっとした事件があり、以前も記事にさせていただきました。そちらもご参照ください。(『ビールを“おいしく”するものは』

この本ではビールについて歴史的なこと、科学的なことなどいろいろ述べられています。昔は薬とも考えられていたようです。ホップなんかは、ハーブの一種として。

また、ホップの苦みや芳香もそうですが、炭酸も消化管の働きを良くする効果があるそうです。ビールを飲むと食が進むのは、こういったところから来ているのでしょう。

また、飲み方について、つまり二日酔いにならない方策であるとか、飲む速さ、一緒に食べると良いものなどについても書かれており、たいへん勉強になります。

飲み過ぎて体調を崩さなければ、リラックス作用が得られストレスを適度に減量し、疲れをリセットすることができます。

また、ビールをはじめとするアルコール飲料には気分を高揚させる作用があります。まあ、これも人によりまして、上戸・下戸などと古くから言われております。

とくに私は、飲み会ではアルコールを燃料に会話や対話をしている気もします。要するに酔うとよく話すタイプです。

でも、そうやって自分の頭の中を出すことは大変良いことです(『「伝える」だけではない、「言葉」にすることの効果』)。頭の中が整理されるのはもちろん、詰まりがとれたり、奥にしまい込んでいたものが出てきたり、新たな発想が生まれることもあります。

とくに、気の合う人間とビール片手に話していると、“頭が耕される”という印象があります。もちろん相手にもよりますが。

よく耕され手入れされた畑には病害虫も少なく立派な作物ができるように、頭が耕されていると悪いストレスも減少し、頭が良く働き、良いアイデアも出やすくなるかもしれません。

では、いったいどれくらいの水を飲んだら、ベストなコンディションを保てるのでしょうか。

私は、「水は1日3ℓ」を推奨・実践しています。

(P177)

コーヒーも、ビールも素晴らしい飲料です。しかし、やっぱり「水」が人間にとって一番大切な飲料であり、著者もかねてから水の大切さを説いています。

水はあらゆる化学反応の土台となり、加水分解など化学反応に必須とされることも多い物質です。なにしろ体の6割以上は水でできています。

内分泌系はもちろん、消化器系、循環器系、神経系と、多くの身体器官がとくに気を使って調節しているのが水なのです。

それら善良な器官たちを多少とも困らせるコーヒーやアルコールを飲む際は、頭の片隅ででも身体のことを思ってあげましょう。そして、本書に書いてあるように適切に水分補給しましょう。

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体調管理は様々な方面から考えることが必要です。食事、運動、ストレス対策などなど。

食事と同様に口から摂取するコーヒーやビールなどの「飲料」は、固形の食物よりも速く身体に対する影響を及ぼしやすいとのことです。

ちょっとした休憩にお茶やコーヒーを飲んだり、食事の際にビールを飲んだりすることは、リラックス効果や食欲増進効果が得られます。

カフェインの過剰摂取やタイミングの悪い摂取に気をつけて、あるいはアルコールの過剰摂取に気をつけて、そしてしっかり水分補給して。

こういった飲料とはうまく付き合って、仕事も生活も潤わせていきたいと思います。

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