風邪とのつきあい方

風邪の効用 野口晴哉 ちくま文庫

2023年8月27日、次男の熱発を皮切りに始まった、我が家の新型コロナウイルス感染症。またたくまに三男、私、長男、そして妻と、一通り感染しました。やっと収束が見えてきたこの週末です。

発熱や倦怠感(だるさ)がひどいと話には聞いていましたが、いざ自分がかかってみるとなかなか大変なものですね。

日頃からの感染予防が大切であることはもちろんです。それに加えて、かかった場合に重症化しないように、耐えられるように、生活習慣や体力を整えておくことが大切だと改めて感じました。

「新型コロナウイルスは社会を櫛(くし)けずる」の記事もご参照ください)

おそらく同じウイルスでも子供と自分では症状の軽重が異なることに、『免疫の意味論』の印象深い一節を思い出しました。

冬の朝、同じバス停でバスを待っている青年と老人が、同じインフルエンザに曝されたとしよう。青年のほうは、まずインフルエンザにかかる確率が老人よりはるかに低いし、かかったとしても定型的な一次免疫反応の経過をたどって、数日のうちに治癒してしまう。

・・・青年は、再び青空のもとを疾走し、病気の残骸を吹き飛ばすかのようにサッカーのボールを蹴る。

・・・老人のインフルエンザはいささか違う。それほど高い熱が出ないのに、全身がけだるい。・・・病気は長引き、肺炎などの二次的な合併症を起こすようになり、それはしばしば致命的である。

(『免疫の意味論』多田富雄 P117-118)

子供たちは、体温が上昇しているときは具合悪そうですが、上がってしまえば40℃台の発熱があってもわりとケロリとして遊んでいたりします。

一方で私は38℃台の発熱でも、もう歩くのも大変なくらいにだるくてつらかったです。

せいぜいしっかり睡眠をとって、水分をとって、摂れるカタチでの栄養を摂って、長引かないように、二次的合併症を起こさないように注意するのみです。

『免疫の意味論』の紹介記事もご参照ください)

また、私がかつて読んで、風邪というものの捉え方、考え方に感銘を受けた本『風邪の効用』の一節に書かれていることも、思い出しました。

風邪は万病のもとという言葉に脅かされて自然に経過することを忘れ、治さねば治らぬもののように思い込んで、風邪を引くような体の偏りを正すのだということを無視してしまうことはよくない。体を正し、生活を改め、経過を待つべきである。

(『風邪の効用』野口晴哉 P14)

風邪を引いた時には、どこか体に偏りはなかったか、今後どのように体に気を付けて生きていけばいいかという、反省の機会と捉えるのがいいでしょう。

今回、この”風邪の親分”を経験した私と家族たち。この経験が今後にどう生かされるのか、なにか変わるのか。ちょっぴり期待しつつ、次なる”風邪”に備えた日々を送ろうと思います。

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