仕事について

2019年11月9日

「仕事と心の流儀」 丹羽宇一郎 講談社

なんで仕事をしなくちゃならないんだろう。なんで雑用ばかりさせられるんだろう。仕事をしていると誰でも感じることがあると思います。この本は仕事や働くことに対する考えを変えてくれると思います。

いまの仕事のしかたでいいのか、どうやったら職場はもっと良くなるのかなどと考えることがある人は、ぜひ読んでみてください。

著者の丹羽氏は元意図伊藤忠商事株式会社会長であり、ほかにも「人は仕事で磨かれる」といった仕事論や「死ぬほど読書」といった読書論など多くの著書があります。豊富な職場経験やリーダー経験から紡ぎだされる逸話は、理想の上司から話を聞くように染み入ってきます。

以下、いくつかの抜き書きと考えたことを書いておきます。

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仕事の対価として、ほどほどの金銭的報酬を越えれば、あとは「人間としての成長」だと私は思います。仕事を通して人間としてどれだけできあがっていくか、ということです。(P42)

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仕事の報酬とは

仕事に対する見方は様々あるかもしれませんが、「業務」の面と「修練」の面があると思います。そして、業務に対する報酬が「お金」であり、修練についてくる報酬が「成長」となるのだろうと思います。

ただ、業務と修練は明確に線引きできるものではなく、相互につながっています。たとえば「お金」を自己投資(読書、研修など)に使い、「成長」に結びつけることができます。また、「成長」すれば業務の能力もレベルアップし、業務の内容についてもできることが増えて多様化することで、「お金」につながるでしょう。

そもそも人間の生きる目的にも様々あると思いますが、

  • 生き延びる(生物として)
  • 成長する
  • 人間全体の成長に寄与する

などが挙げられるでしょう。仕事によって得られる「お金」は衣食住のもととなり①に寄与することは明らかです。「お金」で食物を得て、衣服をそろえ、住む場所を確保しています。仕事によって得られる「成長」は②や③にかかわるでしょう。そういった意味でも「仕事」は実質的もの(衣食住など)だけでなく、人生にとって必要なものなのだと思います。

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そういう感激や感動、その根底に流れている心の共有が、事業には必要です。(P78)

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職場の雰囲気

仕事に感動はあるでしょうか。たとえば「この患者さんが元気になって良かった」などと職場全体で喜んだりしているでしょうか。単なる変化として無感動に過ごしていないでしょうか。

感動を引き出すにはどうすればいいのでしょう。感性に訴えればいいのでしょうか(たとえば患者背景を詳しく把握することにより、患者個人への思い入れを深くするなど)。

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企業は株式配当や経営者への高額報酬ばかりでなく、人材育成にお金を使うべきです。目先の数字にとらわれて教育をないがしろにし、「使い捨て」を続ければ、日本から現場の優秀さという強みは失われ、自分で自分の首を絞める結果になってしまうでしょう。(P81)

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職場での教育

今の職場に教育はあるでしょうか。ときどきある研修会やカンファレンスだけになってはいないでしょうか。もっと勉強会、分野別検討会、修練会みたいなものがあってもいいのではないかとも思います。これらは前に述べた「修練」の面での「成長」のための教育にあたるでしょうか。

では、「業務」についての教育は、いわゆるOJT(On the job training)がいいのでしょうか。一方、OJTの効果を十分に引き出すためにはoff-JTもあったほうがいいのではないでしょうか。off-JTとしてはカンファレンスがあたるでしょうか。

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しかし中には、自分の周りだけを見て「俺はこんなにできるんだ」と勘違いする若者や、「雑用ばかりやらされて退屈だ」「給料が安い」などとぼやく若者がいます。とんでもないことです。はっきり言いますが、入社してすぐの新入社員というのは一歩外へ出たら、いてもいなくてもどっちでもいいような存在なんです。会社はそれを一生懸命に教育し、おまけに給料まで出しているというのに、仕事が退屈だの給料が安いだのと言うなんて、冗談じゃない。(P60)

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雑用について

「雑用」については、2019年11月6日にも記載しました。雑用、下働きをいとわずやっていきたいものです。

世阿弥のいう「初心忘るべからず」というのも誤解されていることが多いようです。「なにかを始めて、最初のころに感じたフレッシュな気持ちを大事にしなさい」というのではなく、「なにかを行うときはいつでも、初めてするような気持ちであたりなさい」という意味もあるらしいです。

雑用も常に、工夫はないか、発展はないかと考えながらしていくのがいいと思います。

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