哲学

「脳化社会」と、その生き方

唯脳論 養老孟司 青土社/ちくま学芸文庫 この本を読んだのは、実は高校生のときである。進学ガイドかなにかで紹介されていた。 当時はそれほど医学に興味があるというわけでもなかったような気もする。「脳って面白そう」などと感じ …

哲学

「待てない」社会ではありますが、「待つ」ことは大切です

「待つ」ということ 鷲田清一 角川選書 待たなくてよい社会になった。待つことができない社会になった。 (P7) この冒頭の文章からも、いろいろと考えさせられます。 現代は、電車は時刻通りに来ます。会議は予定通り開始されま …

哲学

アイディアと情熱は自分の「内」に求めるのだ

トゥルー・イノベーション 三木康司 CCC MEDIA HOUSE イノベーションという言葉は、様々な場面で耳にすることがあります。日本語では「新結合」であるとか、「革新」「新機軸」「新しい切り口」といった言葉で表されて …

哲学

「抽象化」を使いこなして世界の見方を変える

具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ 細谷功 dZERO なんとなく、「具体的」というと分かりやすい印象を受け、「抽象的」というと分かりにくい印象を受けます。 たとえばAさんはおっとりした人だ、Bさんは厳しい感じ …

哲学

人間とは何か―人工知能を切り口に考える

人間のトリセツ―人工知能への手紙 黒川伊保子 ちくま新書 私が黒川さんの著作として初めて読ませていただいたのは、『英雄の書』でした。といってもこの本でまだ2冊目ではありますが。 『英雄の書』も、いずれご紹介したいと思いま …

哲学

「分人」という新しい人間観でもっと生きやすく

私とは何か 「個人」から「分人」へ 平野啓一郎 講談社現代新書 我々は、相手によって様々な態度を使い分けています。会社では上司にペコペコしたり、そうかと思えば部下にはガミガミ怒ったり。 自分もそういうことはあります。さら …

哲学

修身教授録

修身教授録 森信三 致知出版社 森信三先生は明治29年に愛知県に生まれ、京都大学哲学科で西田幾多郎に教えを受けました。私の尊敬する哲学者であり教育者でもあります。 先生の著作は数多く、全集も出されています。その一つとして …

哲学

免疫の意味論

免疫の意味論 多田富雄 青土社 免疫系は面白い。 私も高校生のときにテレビ番組で免疫の話を知った。あたかも免疫細胞が細菌などの外敵に対して高度な指令系統をもって対応している印象を受け、興味が湧いた。 勉強してみると免疫系 …

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禅と日本文化

禅と日本文化 鈴木大拙 著 北川桃雄 訳 岩波新書 鈴木大拙は時代としては1870年(明治3年)、石川県金沢市に生まれました。ということで、あの西田幾多郎と同じ出生年、出生地、そして学友でもあり、その後も終生の友人であっ …

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量子論と生命

量子力学で生命の謎を解く ジム・アル=カリーリ、ジョンジョー・マクファデン 水谷淳 訳 SB creative 「量子論なんて、最近出てきた不思議な物理理論で、私たちの生活には関係ないでしょ。いくらものすごく低い確率でブ …