大型書店の魅力

2021年10月24日

久しぶりに行ってきました。大型書店。学会出張のついでなのですが、比較的余裕をもって訪れることができたので、ゆっくり見て回ることができました。

コロナが収まりつつある雰囲気ではあっても、「こんな機会はそうそう取れないぞ」と思いながら、ありがたく見て回りました。

しかし、しばらく多階層の書店を見ていなかったこともあってか、店内を歩いているうちに疲れも出てしまい、座って休憩しながらでした。

というか、駅内などの人ごみの中を歩いていると、人酔いといいますか、疲れを感じますね。これも最近こういった経験が少なくなっていたことによると思います。

さて、やはり大型書店は違います。単行本もさることながら、とくに新書や文庫が通し番号や著者名順にほとんどそろっています。そのため気になる本をすぐに見つけることができます。そして、これまでネットでちょっと面白そうだなと思っていた本の内容を、総ざらい的にみることができます。

『リアル書店とネット書店』の記事もご覧ください)

検索して本を探すのと、ドンッ!と目の前にパノラミックに本が並んでいるのとでは、ずいぶん違います。また、検索してもひっかからない本もありますし、ましてや検索しようとも思わない言葉の本に巡り会うこともあります。

普段ネット検索をして、「ちょっと面白そうだな」という本は、注文することもありますが、ほとんどはまず、いわゆる“ほしいものリスト”に載せておきます。

大型書店ではそういった本を、ほぼ間違いなく実物で確認することができるのです。ネットでは本の内容は、一部見ることができるものもありますが、目次をじっくり読んだり、まえがきをじっくり読んだり、あるいは内容をザッと眺めたりすることができません。

本はたいてい、目次とまえがきをみると大雑把な内容は分かると思います。以前から“ほしいものリスト”に載せており、それこそ読んでみたかった本でも、実物の目次や内容を見てみると、なんとなく知っている話が書いてあったりして、読むまでもないなと判断することもあります。

そういう本はリストから削除していけばいいのです。

この“ほしいものリスト”も、ネットを見ている限りは実物を見ないでどんどんリスト内容が増えていくものなので、少し困りものでもあります。

もちろん、実物を見て“読まなくてもいいかも“と思った本でも、本を購入して最初から最後までじっくりと読んでみれば、また新たな知識となることが書いてあるのかもしれません。

しかし、最近は冊数よりは質を重視し、読みやすい本よりは自分にドッシリくるような本に当っていきたいと思っているので、結構選びますね。

そういった中でも、“出会い”は大切なものであり、本との出会いをもたらしてくれるのも、大型書店のいい所だと思います。

そうなのか? では人との出会いも大きな会社、大きなグループ、社会に広く出歩くことがいいのか? それはまた別の話だとは思います。

話の方向がずれますが、人との出会いも、単に出会いが大切なだけではなく、その後の努力も大切です。その後の努力があるからこそ、その“出会い”が良かったということになるのです。

残念ながら本は、書いた人間の知識や思考、思いなどを保持している静物です。本はそこにあり、ただ静かに待ってくれているだけです。人間と違って向こうからアピールしたり、話しかけてくれたりすることはありません。

こちらとしては、アンテナを鍛えて広く張り巡らし、歩き回って本棚の中でピカリと光る本を、フト手に取ってみることが、良い本との出会いに繋がると思います。

そして、その本を読み込んで、気に入ったことが書いてあれば抜き書きしたり、それについて意見を作ったりしたりとちょっと面倒なことをするのが、その本との“出会い”を良いものにするのでしょう。これは人間相手でも同じです、きっと。

久しぶりに大型書店を訪れ、やはり良い本との出会いはありましたので、少し興奮気味にレポートしてしまいました。

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