金哲彦のランニング・メソッド 金哲彦 高橋書店
一時期、走ったことがありました。
自転車つまりサイクリングに熱中していた時期があり、体力の維持が必要でした。
しかし私の住んでいるところは冬場、積雪のため自転車走行は大変危険になります。(積雪のなかを果敢に自転車で走行する高校生やお年寄りはいますが)
そこで、冬場の体力維持のため、走ることにしました。走るのであれば、多少の積雪でも注意して進むことができます。
一方、自転車は、濡れた段差にも弱いくらいだから、凍結した地面など危険極まりないものです。
もともとは、Wii fitなんかを使って画面の前でバタバタ足踏みしていたのですが、それなら実世界を走った方が面白いのではないかと考えたのでした。
とはいえ、最初から距離を走ることはできません。そこで、まずは歩くことにしました。徐々に早歩きにして、走るように段階を踏んでいきました。
走り方にもコツはあるようです。むやみに走っても、すぐに息切れしたり、腹が痛くなったりするだけです。
慣れもあるのでしょうが、フォームやペースなどについては教科書を見て勉強するのもよいと思います。そこでまず手にしたのが、今回ご紹介する本です。
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著者の金哲彦氏は学生時代から競走を行っており、箱根駅伝では4年連続で5区のいわゆる「山登り」をされています。その後もランニングクラブのコーチや監督をなされ、指導や解説と共に、多くの著書を出されています。
この本は、まず走ろうとするにあたって、ストレッチなどの準備運動から立ち方、歩き方、そして走り方といった具合に、徐々に走るための身体に変えていく流れを、順を追って解説されている点が秀逸だと思います。
また、トラブル対応や目的別の走り方など実用的な面の他にも、走ることの効果、楽しさや自分に起きる変化なども書かれてあり、モチベーションを高めてくれます。
新型コロナウイルス感染症から我々が掴み取るべき教訓として、「日頃から身体は健やかにしておきましょう」ということがあると思います。
これを機会に健康づくりのためにランニングを、と考える人も多いのではないでしょうか。そんな方にもぴったりの入門書だと思います。
この体感を使った走りのポイントは“丹田・肩甲骨・骨盤”という、たった3つの部位でなりたっています。つまり、きれいに走るためには、この3つの部位を少し意識するだけでいいのです。
(P36)
最近、トレーニングにおいては「体幹力」を鍛えることが重要とよく言われます。有名なスポーツ選手もみな、体幹力の大切さを説いています。
しかし、”まず”体幹力というのは、私は違うと思います。全体的にバランスよくトレーニングをした結果としてついてくるのが、強い体幹力なのではないかと思います。
この辺は「愛」に似ているかもしれません。「愛」を求めるためになにやかにやと方策を練って当たるのではなく、なにやかにやしていると自然に「愛」がそこに存在するというものではないでしょうか。(よく分かりませんが)
ただし、目標・目的あるいは目安として体幹を意識しながらトレーニングをすることは必要であり、トレーニングを体幹力につなげるための良い方法だと思います。
つまり、体幹を意識しながらトレーニングをするのです。実際にこの“丹田・肩甲骨・骨盤”を意識しながら走ってみます。
さらにこの3つの「言葉」は、「骨盤、丹田、肩甲骨」の順に発音しても心の中で唱えてもいいですが、走るときの足のタイミングに良く合います(4/4で♪♪♪♪♪♪♪y、yは8分休符)。
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最初は筋肉痛になりますが、世の中そんなものです。徐々に慣れてきます。身体も変わってきます。
私も走ることを続けてみて、食事がおいしく感じたり、ビールが大変おいしく感じたりしたことは大きな変化でした。
「でした」という具合に、今は走っていないので、また自転車や走ることを再開できればと思います。
「運動、読書、瞑想」はなにがなんでも人間にとって良い行動であるという話があります。
食事と運動で身体のメインテナンスを、読書と瞑想で心のメインテナンスをするのが良いのではないでしょうか。