最近、ゲームにはまっています。まあ、はまっていると言っても、週に1回か2回ほど30分~する程度ですけど。
子どもたちや妻が、Nintendo Switchのゲームをしておりまして、いろいろなゲームソフトを楽しんでいるのですが。私はそれらをすることはありませんでした。
「くだらない」とか「つまらない」と思っているわけでは決してありません。ゲームの面白さは重々知っているし、実際に楽しんだ人間でしたから。
そんな中で、これはぜひと購入したのが、この『聖剣伝説3』というゲームでした。このゲームには思い出があります。かつてこのゲームがスーパーファミコンで発売されたころ、かなりかなり、はまっていたのです。
親に隠れて夜中ひっそりと起き出してプレイしたり、ひまさえあれば攻略本を眺めていたり。
グラフィックや音楽、ストーリーも十分良いうえに、クラスチェンジというシステムが、ゲームとしての奥行を出しており、何度もプレイしたくなるようなゲームでした。
つまり、主人公となりうるキャラクターは6人おりまして、それぞれによってストーリーが大きく分かれており、そこから3人のキャラクターを選んでの冒険となります。
それら3人のキャラクターが、クラスという、異なる特殊技能や魔法を修得可能な、いわば職業のようなものを選択して成長していくのです。
数学的に組み合わせを洗い出すことはできますが、実際にキャラクターの組み合わせ、クラスの持ち味を味わってプレイしていると、いろいろな組み合わせで何度もプレイしてみたくなるものでした。
*
そんな思い入れのあるゲームのリメイク版ですから、これは買わなければと思って買ってしまったわけです。
まず、音楽が良い。もともと音楽の良いゲームでした。世界各国の音楽を取り入れている気がします。中東、ヨーロッパ、宗教的な響き。いろいろ盛り込まれています。
それがリメイクでも忠実に再現されているとことが、とてもうれしいと感じました。リメイクだと結構音楽も変わってしまうこともありますが、この作品は原作の良さを受け継いでいます。
盛り上げるところで、ゲームとしての面白さ、道中の果てしなさを盛り上げてくれる音楽。ときにはゲームを離れて映画のような雰囲気を醸し出してくれる音楽。熱いバトルを演出する、このバトルはこの音楽しかない、というような音楽。
*
グラフィックも良いと思います。私はゲームのグラフィックについては、それほど気に留めません。むしろ、グラフィック重視の昨今のゲームが、私をゲームから離していったように思います。
ここで一言、「“シンプルさ”がゲームを面白くする」と思います。とくにグラフィックなどがシンプルであることは、その情景を補うために脳をたくさん使うでしょう。脳をたくさん使うことが“面白い”につながるのではないでしょうか。
シンプル→想像力のため脳をたくさん使う→面白い、となるのでしょうか。その一方で、映画なみにグラフィックがリアル→脳をあまり使わない→面白くないとなるのではないでしょうか。さらにはコントローラの振動など体性感覚まで動員して面白くしなければならなかったりして。
音楽については、これも往時のゲーム機と現在のものとではレベルはまったく異なっており、実際の器楽演奏や生歌を用いることも多くなっています。
でも、こちらについてはあまり想像力の邪魔をすることがないような気がします。これは個人差があるかもしれません。
でも、ファミリーコンピュータ時代の3音源音楽なんかでも、名曲は名曲ですね。
*
システムも良いです。FFやドラクエなど王道RPGのそびえる中、アクションRPGとして花形のゲームだったと思います。(私もそれほど多くのゲームをしてきたわけではないので、私の経験した範囲での話です)
ジャンプやコンボなど、アクションの要素が増えて、なかなか愉しいバトルとなります。
そして冒頭でも述べた「クラスチェンジシステム」です。
クラスチェンジによって、使える技能や魔法が異なります。RPGにはお決まりの“セーブ”がありますので、クラスチェンジしてから、使えなそうであればリセットしてやり直すこともできますが。
このシステムとセーブポイントは、なにを隠そう、私が飲み会などでよく学生に言っている話のタネとなっている。
つまり、「人生にはセーブポイントは無い。クラスチェンジしてあまり役に立たないようだったら、リセットして別のクラスでやり直すことはできない。別の道が存在すると考えるから、役に立つ道、正解の道を選ぼうとするが、実際はそんなことはない。人生は進んだ道が正解なんだ」てな具合です。
これは、医学生さんに科を決めるうえでの考え方で、よくお話しています。ま、たいてい飲んでいる席なので、どのくらい浸透しているか分かりませんが、自分でも結構いいことを言っているのではないかと思い込んでいます。
ま、リメイク版は「クラスリセット」という、おそらくクラスをリセットして別にできるシステムもあるようですが・・・。
*
さて、うちの子どもたちも、ゲームのし過ぎは気になるところではあります。でも、ゲームをするなら、し過ぎるくらいにする時期があっても良いと思う。
「宿題もしないでゲームばかりして!」と怒られることもあります。でもそれは、怒られただけのことでし。ゲームをし過ぎることによって得られているものも、きっとあります。
宿題は期日までになんとかすればいいんです。ゲームに熱中するのは、今しかできないんです。
あのとき、ゲームになんか熱中していないで勉強しておけば、なんて全く思いません。ゲームに熱中することで、いろいろ得ることができた時間だったと思います。
ふと、そんなことを思い出させてくれたゲームでした。