「原体験」は興味の源泉

仕事をしていると、「今の仕事に興味が持てない」、「自分のやりたかったことと違うのではないか」、「どうすれば興味を持つことができるのだろう」などと感じることがあるかもしれない。

興味を持つためにはどうすればいいのか。しかし、興味をもつためにどうするかを考えるとは、なんともおかしな言い方だと思う。

興味というものは何かに出合った時に、自然に発生してくるもの、感じられるものではないか。例えば、テレビで昆虫の特集番組を視て、昆虫に興味を持つように。

子どものころに経験したことが、興味のもとになることが多い。子どものころに山や川で昆虫や魚を採ったり、飼ったりしていた。そういうことから、生き物に対する興味が湧いてきたりするのではないか。

誰でも、できれば自分の興味がある分野を一生の勉強や仕事にできれば良いと考える。大学入学もそうだし、就職もそうだ。

医学部では卒業後に様々な専門の科(内科や外科など)に進路を分かつが、そういった医学生にも常々言っている。将来どの専門の科(内科や外科など)を選ぶ「自分が興味のある専門の科を選びなさい」と。

知識や技術を得るための扉は、興味によって開かれると思う。興味を持ったモノに対する向学心や上達意欲は計り知れない。学問にしてもスポーツにしても、楽器の演奏にしても。

興味は一つの“きっかけ”なのだろう。だからまずは、自分で興味があると“思った”あるいは“感じた“進路を選ぶのが良いのであり、判断の根拠とすべきものである。

ところが、興味があると思って進路を選んだ時点では、その分野についての十分な知識はないものだ。実際にその道を選んで、勉強や仕事を始めて、初めてその面白さや大変さに気づくことがほとんどだろう。

そして、それまで抱いていた興味は実際の仕事に入ると、次第に日常の雑務に埋もれて見えなくなってしまうこともある。

日々の仕事をこなすことに精一杯の日々が続くと、自分の興味や希望、思い描いていた像はいつしか忘れてしまうことも多い。

そこで、埋もれてしまった興味を喚起することが望まれる。そのためには、興味の源泉である自分の原体験を呼び起こすのだ。

最近の読書で、自分の原体験を掘り起こす、自分の今のルーツを探すということを勉強する機会に巡り会えている。

古典的な本としては『ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。』もそうだと思うし、最近の本では、以前ご紹介した『ハートドリブン』や、他にも『原体験ドリブン』、『人生を変える マインドレコーディング』などなど。様々な本が、ニュアンスは多少違っても原体験の大切さを説いている。

自分の原体験に素直な仕事は「やる気」「自己実現」といった内発的動機を充実させてくれる。

日々の業務もこなしながら、少しずつ自分の原体験を掘り起こし、それを活かした仕事をできればと思う。

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