育児で育自

2021年8月7日

一流の男が「育児」から学んでいる5つのビジネススキル 嶋津良智 角川フォレスタ

現在、夏休みをいただいております。ただ、夏休みといっても、“仕事”が休みということだけであり、“父親”が休みになるわけではありません。むしろ“父親”としてはフル稼働の期間となります。

このときとばかり、自分としても子どもたちと遊ぶ時間を取ろうとがんばるわけです。さらに、子どもたちも遠慮なくかかってきますので、なかなか疲れます。

以前から、通常の平日仕事よりも、週末の家族サービスのほうが疲れるのではないか、と思っていました。なんとなく、肉体的に疲れます。

遊ぶだけではなく、宿題をみたり、ゲームの時間監督をしたり、食事の準備や風呂掃除などお手伝いを励行します。いわゆる「育児」というものの突端を触っている気がします。

平時いつも子供とともに過ごしている妻から見れば、育児と呼ぶのもおこがましいかもしれません。

でも、日頃から気にして行うようにしている食器洗いや片づけも、さらにこまめに行い、妻に対しても“母親”のつかの間の休みをとってもらえれば、と思います。

さて、今回ご紹介する本ですが、記録をみると2014年の9月に読んでおりました。長男が3歳くらいのころでしょうか。

子どももそのくらいの年齢になると、走り回ったり引き出しをひっくり返したりと、激しさを増しますので、「この大変な育児からもなにかしら学べることがあるのではないか」と考えて読んだのでしょう。

まだまだ“怪獣”と呼ぶべき子どもたちに囲まれて過ごしています。子どもを持つ前の自分と、子どもを持って、わずかながらも彼らの成長に関与した今の自分とでは、何か違っているでしょうか。

前回記事などでも何度も言っているように、人生に“もしそうでなかったら”というものはありませんので、“子どもと過ごしていなかった自分“と比較することはできません。

しかし、育児は必ず、人間の一部なり一面を鍛えてくれると思います(思いたいです)。人間の父親としての属性、あるいは“分人”を鍛えてくれると思います。

そして、その属性なり分人なりの成長は、直接的に仕事に関わらないとしても、仕事を行う人間の基盤を強化してくれると思います。

この本にもそんなことが書かれていると思います。実は初回読了時のこの本に対する評価は、“酷評”とも呼べる★一つでした。

でも、最近、読み直してみると、「なるほど」と思うこと、「そうだよね」と思うことにあふれています。

まったく、本は読む人の状態、境遇で得られるものは異なるので、「再読」も本の読み方の重要な一つだと思います。

なぜ育児は別名「育自」と言われるのでしょうか?

それは、自分を育てること、すなわち自分の能力を高めることができるからです。

育児を経験することによって、コミュニケーション能力、段取力、稼ぐ力、リーダーシップ、マネジメント能力などが身につくので、ビジネスマンとしての成長を実感できます。(P33)

子どもを相手に、あるいは妻を相手にして過ごしていると、いろいろとうまくいかないこともあります。

子どもが言うことを聞かなかったり、疲れているのに遊んでくれとせがまれたり、子どもに甘くしていると妻の目が厳しかったり。

そういった諸問題?にうまく対応していくことは、上に引用したような様々な能力を鍛えてくれると思います。

たとえば、小さい子はこちらの言うことに「なんで? なんで?」と聞いてきます。

(そのくせ、こちらが子どもの言ったことに「なんで?」と聞くと、「なんでも!」などと取り付く島の無い返事をくれます。まったくもう)

ただ、その「なんで?」に対して、こちらも子どもに言った根拠や裏付けをしっかり考えるという習慣がついてくる気がします。

おそらく、自分の変化や成長というものは、それほど“実感”できるものではないと思いますので、仕事の上での“ビジネスマンとしての成長”を実感できるかは分かりません。

しかし、こういったエピソードを通じて、育児をしてこなかった場合の自分よりは、何かしら仕事についても良い要素が身についているのではないかと思いたいです。

もちろん、結婚するか、子どもを持つかということは、個人の考え方ですので、“みなさん子どもを持って育児をしましょう”というわけではありません。

育児をしなかったとしても、その人は仕事など他のことで自分の成長を得ているわけですから。おそらく人間はどんなことでも自分の成長のタネと考えて、当っていくのがいいんでしょうね。

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